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映像制作マガジン

KIZUNA JAPANスタッフによる映像制作マガジン

2023-07-28

映像制作会社におけるデータの管理体制方法

映像制作会社のデータ管理方法

映像制作において、データの管理体制は本当に重要です。
それぞれの制作会社ごとにやり方やルールは異なるかと思います。
本日は私たちの実践しているデータ管理方法をご紹介します。
コスト面とのバランスもあるので、導入しやすいものでオススメのストレージも紹介します。

【必要なストレージ】
■ 撮影データのバックアップ用外付けHDD×1台(A) 
■ 作業用の外付けSSD×1台(B)
■ 作業後のバックアップ外付けHDD×2台(C&D)

①撮影映像データを外付けHDDと作業用外付けSSDの2系統にバックアップ。

私たちはルールを決めており、「撮影データは映像のオフライン作業が終了、
もしくは初号提出するまで、元のSDカードなどから消してはいけない」という鬼ルールがあります。

SDカードなどからHDDへ転送した際に、データの破損等がゼロではないからです。
過去にUSBの不調で、一部データにノイズが入るということも経験しました。
全ての映像素材をきちんと編集タイムラインでチェックし、初めてSDカードなどをフォーマットします。

IO-DATAのHDD

▼撮影データの格納はIO-DATAの法人向けHDDがオススメ。
https://www.iodata.jp/product/hdd/bizhdd/

※最後の砦となる撮影素材用のHDDは、きちんと期間保証が効いており、
電話サポートに対応できる「IO-DATA」にしています。
中身は確認しましたが「ウェスタンデジタル」のHDDが入っていました。
裸のHDD等だと、クラッシュした際にドックが原因か、HDDが原因か不明のため、
修理保証等が曖昧になる可能性があるため、撮影元素材という最後の砦は国内メーカーにしています。

②編集作業はスピードを上げるためにSSDにて編集。

SSDは外付けを使用。PC内蔵のSSDで編集される方も多いかと思いますが、
もしも、PCが壊れた時に、原因がすぐに特定できず、編集再開までに時間がかかる。
PCに何かあった際はすぐに他のPCで作業ができるようにリスクヘッジするためです。

サンディスクのSSD

▼外付けSSDのオススメはサンディスク エクストリーム プロ ポータブルSSD。
https://www.westerndigital.com/ja-jp/products/portable-drives/sandisk-extreme-pro-usb-3-2-ssd#SDSSDE81-1T00-J25

衝撃吸収に強く、何よりもコンパクトで軽く、デザインがGOOD。持ち運びも本当に楽です。
シリーズの見た目が全部同じで、値段が全然違うので、以下を参考にしてください。
上位モデルになれば、かなりスピーディなデータ転送が可能です。
以下のミドル以上にしておくことをオススメします。
但し、PC側のUSBが以下に最適に対応していないと、速度は出ませんのでご注意を。

最上位型番:SDSSDE81-1T00-J25約2000MB/秒の読み・書きスピード
ミドル型番:SDSSDE61-1T00-J25約1000MB/秒の読み・書きスピード
最下位型番:SDSSDE30-1T00-J26約500MB/秒の読み・書きスピード
※型番は1TBで統一記載しています。

③その日の編集作業が終わったら、HDD×2台にバックアップ。

RAID1(ミラーリング)で同時にHDD×2台に、SSDのデータを全てバックアップします。
つまり、この段階で「SSD×1台とHDD×2台」の合計3台に同じデータがある状態。

3台が同時に壊れることは考えられません。
チームビルドを考えれば一時的にクラウドストレージにUPすることも必要ですが、
クライアントのロゴAIデータ等は非常に機密度が高いもの。
最終的にID、PASSでアクセスできるところに置くのはリスキーと考えます。
「アナログにローカル管理する方が安全」という判断を私たちはしています。

勿論、オフィスのセキュリティ環境も大切ですね。

WDのHDDを2台積んだ写真

▼バックアップHDD×2台。「ウェスタンデジタルのBlueシリーズ」を使用。
https://www.westerndigital.com/ja-jp/products/outlet/internal-drives/wd-blue-desktop-sata-hdd#WD30EZAZ

※やはりウェスタンデジタルが好きですね。
そもそも、海好きなので、私たちは「Blue」一択です(笑)。
コストを抑えるために、HDDを単体購入し、「ドック」を使いバックアップしています。

ウェスタンデジタルのHDDブルー

ここで大切な注意ポイントがあります。HDDドックは最初に選ぶものが超重要。
私もそうでしたが、ドックが異なっても、HDDを差せばそのまま使えると思っていました。(汗)
ドックのメーカーや機種が違えば、ドックを変えて、そのまま読み書きできる保証はありません。
データの橋渡しを行う、「チップセット」というものが、メーカーごとに異なるからです。

A社のドックでフォーマット使用したHDDは、A社の同機種でのみ正常作動する

ということを覚えておいてください。
なので、同じドックを2つ購入し、使用用とストック用を持っておくのも一つですね。

ちなみに、私たちの最終バックアップの理想はこちらの「G-RAID」シリーズ
ウェスタンデジタルで揃えたいというのが本音です(笑)が、値段が高い!

Gシリーズ

ちなみにHDDのディスクには回転速度があります。
5400rpm/7200rpmなど記載がよくありますね。
簡単にお伝えすると、「1分間あたりのディスクの回転数」です。

HDDの回転イメージ

●「5400rpm」:1分間に5400回転。(安定性&低価格)
●「7200rpm」:1分間に7200回転。(高速性&高価格)

おう、それなら「7200rpmの方が回転数が多くて良さげ!」って一瞬思いますが、
回転数が多ければ、それだけ熱を持つ。つまり、壊れやすい可能性もある。
つまり、安定性を考えれば、現状5400rpmの方がバックアップとしてはリスクヘッジできるわけです。
値段も5400rpmの方が安いですしね。

そして、HDDには「CMR」、「SMR」という2つの書き込み方式があります。

方式値段特長
CMR高い従来型のデータ書き込み方式。特定の場所にデータを書き込み、速度が速い。
SMR安い新しいデータ書き込み方式。データを重ねて書き込む。処理速度が遅い時がある。

小難しい話なので、とりあえずCMR方式を選んでください。
「CMRの方が処理が速く、安全だ!」と覚えておけば大丈夫です。

データの管理はできてる?

さあ、いかがだったでしょうか?
映像制作会社を選ぶ際にクライアントサイドには見えない部分となりますが、
非常に重要な部分
だと思います。

映像制作会社に「修正対応が数年後、大丈夫かどうか!?」を確認すれば、
その制作会社の管理体制が見えてくるので、発注前に確認するのも一つの方法です。

もしくは、データ管理の契約期間を定めて、契約しましょう。

データ管理体制はこれから動画クリエイターになろうと考えている人にも
避けては通れない道になるはずです。
そして、「できるフリーランサー」「できる制作会社」は当たり前にやっていることです。
大きな投資になりますが、「データ管理もクオリティの一つ」。
作品のアウトプットだけでなく、きちんと考えることは大切です。

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この記事を書いた人

Keiichi Takase

KIZUNA JAPAN株式会社 代表兼クリエイティブディレクター。 趣味:サーフィン、キャンプ、ゴルフ

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