さて、本日は編集技法の話。
YouTuberの台頭やAdobeソフトの普及によって、「映像編集」はあらゆる人にとって身近な存在になりました。
YouTubeを見れば様々な映像表現がみられ、映画やドラマも毎年のように進化を重ねています。
そんな映像編集ですが、何気なく行なっているカットにも様々な技法があることはご存知でしょうか。
本日は歴史の中で発明されてきた様々なカット方法についてご説明していきます。
◼︎スタンダードカット
ごくごく普通のシーンからシーンへの切り替わりです。映像内で90%はこの切り替わりであると言われています。特別な意味を持ちません。
だからこそ、物語の中で特別な意味を持たないシーンに適切に入れることが重要なカット方法です。
◼︎ジャンプカット
YouTuberのカット方法です。
カメラを同じ方向高さから撮影し、動作の長い部分やいらない部分を抜き取る方法です。
動いている人に行うとワープするように見えることからこの名前になりました。
多用すると映像がチープに見えるという難点がありますが、編集の時間を大幅に削減でき、映画などではフラッシュなどを合わせることでアクションカットとして使用されたりもします。
◼︎カットバック
二つの場所で起こっていることを、時間の連続性を持って、交互に映していくこと。2つのシーンを対立させることで、観客の心理的緊張を増幅させる効果を持ちます。
例えば犯人を追いかける警察という場面で、警察→犯人→警察のように映して捕まるかどうかにより緊張させるような場面で使います。
■クロスカッティング(並行モンタージュ)
2つの場所で起こっていることを交互に映し出すことで、対比を強調する方法。
カットバックに似ているが、クロスカッティングの場合には時間の連続性は必要ない。
映画「ゴッドファーザー」のラストシーンで使われたものが有名で、銃を撃ち放つ死のシーンと赤ちゃんが生まれるシーンを交互に映し出し、生と死の対比を生み出しました。
■パラレル編集
これも二つ以上のシーンを交互に繋ぐ方法だが、時間の関連性をあえて持たせていない場合。群像劇などで時代や場所の異なる4人を連続的に描いていくような場面で使わることが多いです。
■モンタージュ手法
シーンAとシーンAの間に異なる場面シーンBを挿し込むことでシーンAに意味を与える手法。
例えば、無表情の男性→葬式の画→無表情の男性とシーンが連続していれば、
男性は葬式に対面し呆然とした、という印象になりますが、
無表情の男性 → 通学中の子供→ 無表情の男性だと、男性が子供を狙っている犯人のような印象になります。
■マッチカット
シーンの終わりと次のシーンの始まりを色やアウトラインを共通させながら繋ぐことで、カットを感じさせない技法。
画面を横切る遮蔽物で画面をワイプトランジションさせることもこの技法のひとつ。
いかがでしたでしょうか。有名な編集の技法をいくつかご紹介してみました。
技法の勉強は映像をスキルアップするために、重要な知識であると思っています。
この機会にぜひ覚えてみてください!
以上、前澤でした。