さて、本日はProResのお話です。
ProResとは、appleが提供する映像圧縮コーデックの事です。
圧縮コーデックと言えばH264やmotion jpg等が有名ですが、
FinalCutユーザーには聞きなれたコーデックかもしれません。
ProResは5Kまでの解像度をサポートし、H264のように、動画の再生用ではなく、
ポストプロダクション用、つまり編集用の映像圧縮コーデックとして使われています。
映像の編集をする際、生(RAW)データを使ってしまうと、重くて動かなくなってしまうので、
編集がしやすいように軽くしてくれるというものですね。
ただ、勘違いしがちなのは可逆性と非可逆性があることです。
有名なコーデックのほとんどは非可逆性で、ProResも非可逆性。
つまり一度変換すると元のデータ(RAW)には戻せないということです。
しかし、ProResはそれをもってしても有り余るすごいコーデックです。
圧縮による画質劣化は他のコーデックと比べても極端に少なく、
しかしデータ量は同じくらい圧縮できます。
まさに編集用としては理想的なコーデック。
データの圧縮率が似ている、edius用の圧縮コーデック、Grass Valley HQXよりも
より高画質に見えます。
ProResの中も用途に合わせて5種類存在するのですが、中でも、
ProRes422は近年広く使われています。
弊社ではwindows環境にて編集及び書き出しを行っていますが、
映像業界はMacベースの会社も多く、
完パケとしてProRes422圧縮の映像を保管する会社も多いようです。
また、ストックムービーのサイト、amana imagesや
近年急速にユーザー数を伸ばしているvideoblockも
ProRes圧縮がベースになっています。
が、先程言った通り、ProResはMacおよびFinalcutをベースに作られた映像圧縮フォーマット。
windows環境では再生も書き出しもできませんでした。
編集データを変換するようなソフトはありましたが、
編集ソフトから直接書き出す、という意味では対応しているソフトが、
マイナーなものしか存在しませんでした。
依然、直接の再生はできないのですが、
2018年10月のアップデート以降、
AdobeのPremiere, Aftereffects, Media encoderで
Windows環境からでもProRes422およびProRes4444の書き出しが可能になりました。
今まで通り、圧縮コーデックを選択する項目の中にProRes422とProRes4444が加わっています。
メジャーなソフトとしては初の快挙かもしれません。
弊社では、2018年現在、ediusを編集ソフトのベースとしていますので、
編集用としての用途は薄いですが、
今後ベースソフトがPremiereに変わることもあり得ると思いますので、
その際は使用する可能性が増えるかもしれません。
素材販売などを行っている方は非常に重宝するかもしれませんね。
さて、本日はProResのお話でした。
皆さんのご参考になれば幸いです。
以上、ディレクターの前澤でした。