さて本日は第一回の基礎、第二回の実例に続き、
実践編です。
イーズは非常に便利な機能で、エフェクトやマスク、もちろんトランスフォームと
使える幅が非常に広いので、付け加えるだけで非常に大きな見栄え効果があります。
なので、僕も普段は映像上のすべての動きにイーズを付けるのですが、
アニメーションに慣れていない頃は、どのように付けたら「気持ちがいい」か
良く悩んだものです。
この時、最も意識するのは現実世界の物理法則です。
摩擦と重力加速度が最も一般的です。
そこで実践編では、イーズの付け方のコツを実例を用いて紹介していきましょう。
イーズを説明する際、非常にわかりやすいのが、ボールの落下とバウンドです。
これには多くのアニメーションの基礎が関わっています。
まずは、図を用いてボールの軌道を描いてみましょう。
2:1の長方形からざっと描いてみました。
この図からわかるようにボールは落下を始めると、
バウンドするたびに高さを失い、また摩擦の影響でバウンドの間隔もだんだんと
狭くなっていきます。
ここで、物理法則に従って順にみていきましょう。
ボールの縦の運動(Y方向)はバウンドのたびに小さくなっていきますが、
落下速度は、着地地点で最大を迎え、最大高さで0になります。
一方X方向は摩擦によってだんだんと遅くなっていくので、
動き始めで最大速度、だんだんと遅くなっていきます。
が、Yのように速度0にたいして動き始めを100%の速度にしてしまうと、
動きが不自然に早くなってしまうので、終点をイージーイーズでスピードを落とすようにします。
さて、これで縦と横の動きが完成しました。
こちらを合わせてみましょう。
最後は仕上げとしてスカッシュの動き、
つまりスケールの動かしを加えてみました。
スカッシュは速度のある物体が何かに衝突したときに、縮む動作です。
これは接地(インパクト)の瞬間に入れる動作で1f前までは、
スケール100%、接地の瞬間に縮ませて、再び速度0になるまでにスケール100%に戻す操作を加えます。
さて今回はボールの動きを使ってイーズの実践を行ってみました。
いろんな場面で使える便利なイーズ。ぜひ使ってみてください!
以上、前澤でした。