スロー映像ってみたことありますか?
そうです。映像の中の世界がゆっくり動く映像の事です。
これ、撮影時にはこんな呼ばれ方をする時があります。
ハイスピード
『え!?スロー映像なのに、ハイスピードっていうの!?』そう思う方も多いかもしれないので、なぜそんな呼ばれ方をしているのかをお教えしましょう。
通常の映像は、1秒あたり24~30コマの静止画で構成されます。我々が普段、テレビなどでみる映像は、30枚で構成されていると考えて頂いて間違いありません。
これを”通常”と考えた時に、これより多くコマ数を撮る映像の事を『ハイスピード』といいます。
ちなみに、『これより多く』は、30から続く倍々の数字になることが多いです。
例えば、60コマ、120コマ、240コマ等ですね。
もちろんそうでないカメラもあります。100コマで撮るカメラも存在します。
そして、なぜ『ハイスピード』と呼称するか。ということですが。皆様には、フィルムで撮影するカメラを連想していただくと分かりやすいかもしれません。もしくは民間用であればビデオテープとか。VHSとか。
どれでもいいのですが、いずれも、テープを巻くはずなのです。これらのフィルムやテープの中には、1コマ1コマの画像が綺麗に描かれています。ビデオデッキやカメラは、この1コマ1コマの画像を、1秒かけて30個読み取って、画面などに映写していきます。これがいわゆる等倍、”通常”の速度ですね。
では、VHSでビデオを鑑賞する際、倍速や4倍速などで巻き戻しや早送りをすると、画面の中はどうなるか。
画面の中野世界は、いつもより早く、倍速や4倍で動くはずです。
その早く動く世界が例えば『早送りを押した状態で』通常のスピードで動いていたとしたら、これを等倍で再生するとどうなるか。通常再生を押すと、世界はゆっくり動きます。
つまり、カメラで1秒を240コマで撮った場合、これを1秒30コマで再生すると、
映像の世界は、1/8の速さで動くことになります。
フィルムで撮影をする場合、フィルムがカメラの中で巻き取り式で回転している訳なのですが、1秒間240コマで撮る場合、1秒30コマの通常よりも8倍早くフィルムを回転させることになるわけです。
これが、『ハイスピード』と呼ばれる所以。
お分かりいただけましたか?
もし現場で、『ハイスピード』と言われたら、『あ、スローの映像を撮るんだな』と思ってください。
以上、皆さんご存知、あの安部でした!