皆さん、イマジナリーラインって知っていますか?
2乗するとマイナスになる数、イマジナリーナンバー・虚数との関係はありませんので注意してください。(笑)
さて、気を取り直して、
イマジナリーラインで良く例に出されるのは、人物二人の会話シーンです。
個人的にわかりやすい実例は、クエンティン・タランティーノ監督による『パルプ・フィクション』のオープニングシーンだと思います。見たことありますか?
レストランでカップルが机を挟んで痴話喧嘩をしていると思ったらだんだん会話の内容が物騒に・・・
そして突然そのカップルが強盗を始める!
という奇妙なオープニング、直後に流れるテーマソング『Misirlou』も印象的な映画です。
そして話したいイマジナリーラインについてですが、この『パルプフィクション』の例だと、カップルを結んだ想像上の線がイマジナリーラインとなります。
(※上図参照)
なぜ、このラインを考える必要があるかというと、
例えば映画のように「カメラ1」の箇所にカメラを設置した時、
このシーンではカメラはイマジナリーラインを越えてはいけないという
編集上のルールがあるからです。
上図を見てもらいたいのですが
しゃべっている人物の顔のアップを映したい時などは「カメラ2」「カメラ3」から撮影するのが、
イマジナリーラインを守った撮影。
「カメラ2’」「カメラ3’」からそれぞれのアップなどを映す撮影は、イマジナリーラインを守っていない事になります。
なぜこんなルールを守らないといけないのか。
最初「カメラ1」からのカットでスタートして、次のカットで右側の人物を「カメラ2’」から撮影したものを入れたとします。
するとどうでしょう、最初は画面の右側に居た人物は左向きに話していたのに、次のシーンでは右向きに話している・・・
なんだか立ち位置が入れ替わっているようで違和感があるような気がしませんか?
この様に見ている側の人が分かりやすい様にするためのルールとしてイマジナリーラインを考える必要があるわけです。
例に挙げた『パルプフィクション』のオープニングシーンもしっかりとこのイマジナリーラインが守られているので、見ている側がシーンの途中で違和感を感じずに作品に集中できる様になっているわけですね。
・・・ただし『パルプフィクション』は
タイムラインは守られていないので、映画全体の内容を正しく理解するのは困難だったりするわけです。(笑)
いやー、映像制作って奥が深いですね(笑)
といわけで、中野でした。